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壮大な歴史と唐紙を体感できる京都・養源院

京都東山・三十三間堂の東に位置する養源院。

 

こちらは、季節の移り変わりや京都観光を堪能したい方、また歴史的な唐紙を体感したい方に、是非おすすめしたい、とっておきのスポットです。

京都国立博物館や三十三間堂に面した人通りも多い七条通りを、「三十三間堂前」交差点より南へ下れば、雰囲気も一変。

趣ある、落ち着いた雰囲気の養源院の門が現れます。

 

京都・養源院の門より望む美しい光景

 

門から中をのぞいてみると、今の季節には色鮮やかに紅葉した木々たちが、玄関まで続く石畳の登り坂と共に、わたしたちを出迎えてくれているようで、その美しい光景に、心が静かに高鳴るのを感じます。

 

養源院のはじまりは1594年(文禄三年)。

豊臣秀吉の側室・淀殿(茶々)が、父・浅井長政の供養のために秀吉に願い建てたものであり、「養源院」の名は、長政の法号よりきています。

しかし、その後一度焼失した養源院は、1621年(元和七年)、徳川家二代将軍・秀忠が、その夫人・崇源院(お江)の願いにより再建し、以来、徳川家歴代の将軍の位牌が祀られており、養源院本堂に着くと、迫力ある葵紋に迎えられるのです。

 

葵文様が目をひく京都・養源院

養源院では、受付を済ませると、ご案内人の方が本堂内にある数々の壮大な歴史の爪跡を、丁寧に解説してくださいます。

 

例えば、俵屋宗達による重要文化財「杉戸絵」。

京都市が毎年、京都の美しい情景などをアピールするために作っている、“京都創生PRポスター「日本に、京都があってよかった。」”にて、今年、養源院にある俵屋宗達・代表作の一つ、杉戸絵『白象図』が選ばれ話題となりましたが、そんな杉戸絵、一枚一枚について、作られた意図やその時代背景、俵屋宗達という人物についてなど、興味深いお話をたくさん伺うことが出来ます。

 

また、見れば思わず息を呑む「血天井」。

1600年(慶長5年)、豊臣秀吉の死後、伏見城の戦いにて城を守っていた徳川家康の家臣・鳥居元忠らが、敵に攻め入られて落城し、自刃した際に血痕が残った床板を、供養などのために京都のお寺へ廊下天井として弔ったものが、養源院の本堂廊下の天井にもあり、その血痕は生々しくもありますが、上を見上げて説明を聞けば、その迫力から当時を伺い知ることまで出来るのです。

 

その他、江戸初期を生きた大名茶人であり、建築や造園の才能も持ち合せていた小堀遠州によるすばらしい庭園、安土桃山時代を代表する絵師・狩野山楽による襖絵、そして、こちらも重要文化財である俵屋宗達による襖絵「松図」など、壮大な日本美術史の一遍をお楽しみ頂けます。

 

そして、私たちがぜひ、養源院にて皆さまに体感して頂きたいもう一つの魅力。

それは、江戸時代に唐長の先祖が手がけた襖を、2010年より2年半をかけて、唐紙師トトアキヒコが修復した唐紙と、通常非公開となっているトトアキヒコによるアート作品です。

 

修復した襖は、豊臣秀吉が修行していたと伝えられている「雨宝殿」を案内して頂いた際、向かって左側にみることが出来ます。

その襖は、俵屋宗達の「松図」の片面でもあり、すでに色みが時代を経て変化していたものを、また当時の色へと修復した、緑青の地色に金色の唐長文様・丸龍の唐紙です。

修復作業中、当時作られた唐紙をはがすと、文字が書かれた紙までが、襖の下張りとして使用されており、紙がいかに貴重なものであったかを思い知らされたそうです。

また、養源院には現在も、江戸時代に作られた唐紙の襖も一部残されており、江戸と平成が対面する貴重な間も存在しています。

(時代を越えた唐紙が対面する様子は、こちらからご覧いただけます。)

 

一方、2010年に養源院さんより「ここにあんたの名前と作品を掲げよし」と、通常非公開となっている俵屋宗達・重要文化財「唐獅子図」の隣にトトアキヒコがご用命を受け、アート作品『星に願いを』が誕生し、奉納されました。

当時のトトさんは、他ならぬ、あの俵屋宗達の隣に掲げることもあり、言い様のない想いにかられ、随分と悩み考えた時間もあったようです。

しかし、周りの方々からのお言葉もあり、また、戦国の世を生きた俵屋宗達が  “何を思い、何を願って作品を描いたのか” を考えた際、自身の唐紙に対する想いや信念に通ずるものがあり、それまで通り「唐紙を通じて世界が平和であるように、人々が幸せでありますように」と願いながら、生み出した作品であったそうです。

 

 

雲母唐長 KIRA KARACHO 唐紙師・トトアキヒコによるアート作品「星に願いを」

 

トトさんの作品もまた、通常非公開となっておりますが、お声掛けしてみた際、運が良ければ拝見できるかもしれません。

こちらの作品は、トトアキヒコ独自の技法「しふく刷り」により一指し一指しに願いが込められており、何十にも重なったトトブルーとよばれる深い青色の世界を目の前にすると、言葉よりもまずは心が動かされ、考えさせられ、向かい合う前と後では気持ちも、見る景色もまるで変わるような、そんな作品に私は感じました。

 

雲母唐長 (KIRA KARACHO)のホームページでは、本日より、「しふく刷り」の命名者でもある、文化庁・筒井忠仁氏による『星に願いを』に関する論評も掲載しております。

ぜひこちらも、ご一読下さい。

 

巡る季節ごとに美しい表情をみせる養源院。

そこに残る壮大な歴史の爪痕。

そして、今を生きる雲母唐長の唐紙師・トトアキヒコの手仕事。

 

魅力溢れる養源院へ、ぜひ皆さま、一度お立寄りくださいませ。

 

 

【養源院(ようげんいん)】

〒605-0941
京都府京都市東山区三十三間堂廻り町

拝観時間:9:00-16:00

アクセス:
・京都駅より 京都バス 206系統・洛バス 100「博物館三十三間堂前」下車 徒歩約3分
・京都駅より 京都バス 18系統「東山七条」下車 徒歩約5分
・京阪電車「七条」駅下車 徒歩約10分

 


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【雲母唐長(KIRA KARACHO)】

TEL:075-251-1550
MAIL:info@kirakaracho.jp
(火曜・日曜・祝日休 / 不定休あり)

HP:http://www.kirakaracho.jp
Online Shop:http://shop.kirakaracho.jp