みなさま、ブログやFacebookにて話題に出てくる、KIRA KARACHOのアトリエについて、ご存知でしょうか?
「いったい、どんな場所なの?」
「実際、唐紙をオーダーするにはどうしたらいいの?」
などと、興味を持ってくださるお客様が多いため、みなさまのお声にお応えし、今回は唐紙師トトアキヒコ・千田愛子の制作現場であり、日々、お客様と唐長の唐紙とが出会い、幸せが生まれる “アトリエ KIRA KARACHO” をご紹介致します。
[はじめに…]
雲母唐長では、お客様よりオーダーを承る際、京都御所西に位置するKIRA KARACHOのアトリエまで、足をお運び頂いております。(お住まいが遠い場合には別対応もしております。)
まずは唐紙独特の美しい風合いや陰影を、お客様に肌で感じていただき、またお客様のお顔を見ながら、唐長の歴史や想いも交えて、どのようなご要望をお持ちなのか、それを受けてどのような唐紙にしていくのか、一緒にお話を進めていきます。
そうして唐紙を理解し愛してくださるお客様、お一人おひとりの為に、その後、丁寧に手仕事をするのです。
(※ 唐長の唐紙は見本帳やカタログ、卸販売などは一切しておりません。
近年、「からかみ」「京唐紙」などと称し、カタログや見本帳のサンプルなどからお好みを選び、販売されているのは、唐長の唐紙ではありませんので、どうぞ、ご注意くださいませ。)
[唐紙をオーダーする]
今回、みなさまに “唐紙のオーダーはどのようなプロセスを踏むのか” をご紹介するにあたり、2015年1月に大阪・梅田に整体院を移転されるお客様にご協力頂き、オーダーの様子から唐紙が完成するまでを密着させていただきました。
11月まで大阪府豊中市で「バランス整体院」をされていた栗田先生と岡田様。
お二人とのご縁のはじまりは、トトさんがつくった唐長文様「 角つなぎ」のお名刺でした。
「角つなぎ(かくつなぎ)」
組紐にルーツを持つこちらの文様は、その終わることなき浮き沈みの連続から、人生観や運命感を表し、連綿と続く命の繋がり、そして繁栄を意味します。
この意味を気に入られた栗田先生は、早速、お名刺をお使いになり、その後、“唐紙の美しさが様々な人の繋がりをもたらした” とお感じになられ、このたびの整体院移転に伴い、美しい唐紙をオーダーしたいと、アトリエへお越しくださいました。
そしてそこには長年あたためておられた、お二人に共通する考えもありました。
栗田先生は施術において、体を整えることはもちろん、また心をも整え、安らぎとパワーチャージできる環境にしたいと、整体院について考えられています。
一方のトトさんは、人々が幸せになり、世界が平和になることを願い、いつも唐紙を生み出しています。
栗田先生がアトリエにお越しになられた一番の理由は、ご自身のお考えとトトさんの唐紙とが、深く通じていたからなのでした。
アトリエの扉を開けると、ほんのりお香の香りが漂い、心が落ち着つくと同時に、目の前には美しい唐紙の襖が現れ、みなさま大変お喜びになります。
また、玄関先ではスタッフも、感謝を込めて、お出迎えをさせていただきます。
襖の中へ入ると、今度はトトさんとたくさんの唐紙がお出迎えです。
みなさま、唐紙に囲まれ、その文様や色の美しさに、息を飲まれる瞬間です。
アトリエは築100年の建物を使用し、現代の暮らしに唐紙を取り入れた様子を実際ご覧頂けると共に、心と体で唐紙を感じて頂けるように工夫されております。
例えば、唐紙の丸い額「hana」やスクエア型の「kira」が飾られた壁面は、お客様のお家に取り入れられた時の様子を体感して頂けます。
また、その他、建具・屏風・壁紙・ランプシェードにも唐紙が施されており、まさに美しい唐紙による幸せな空間が、そこにあるのです。
オーダーに関する具体的なお話は、トトさんが、お客様の暮らしの様子や、どんな風にどのような場所へお使いになられたいか…など、丁寧にお伺いしながら、その環境に適した仕上げを、あらゆる可能性を考えながら、お客様のお好みにそってご提案させて頂きます。
唐長とは…
唐紙とは…
トトさんのやさしい口調でご説明させて頂きながらお話を進め、中でもみなさんが興味を強く持たれるのが、文様のお話です。
年間、数多くの講演会を行うトトさんですが、文様に関するトトさんの説明は、講演会先でも、みなさん熱心に聞き入られ、お客様にとってとても興味深いお話のひとつのようです。
文様は、見た目の美しさもさることながら、ひとつひとつに意味や物語が潜みます。
多くのお客様が、人を前向きにさせる意味を持つ文様を選ばれ、その人やその場所に似合った色をお決めになり、特別な唐紙をオーダーされます。
まさに、オートクチュールという訳です。
そこには、人・時間・場所・様々な出会いなどが重なってはじめて生まれる、奇跡のような唐紙の誕生の瞬間に繋がるのです。
今回、アトリエにお越しの栗田先生と岡田様は、整体院の患者様のことを一番に考えられ、“ 施術前の体と心のコンディションと、施術後にリラックスして頂ける空間への唐紙 ” を望まれ、文様や地色(和紙の染め色)、のせ色(文様を和紙へ写し取る色)を、トトさんの説明を受けながら、大変お悩みになられました。
お客様は様々です。
ほぼ、直感で好みの色をお決めになられる方もいらっしゃいますし、トトさんとのお話後、お客様ご自身がイメージされる唐紙を様々な表現でトトさんへ伝えられ、お任せでオーダーされる方もいらっしゃいます。
これもまた、人に様々な性格があるように、十人十色の唐紙が生まれていくわけです。
唐紙は、丁寧な手仕事によって生まれます。
例えば、地色が青の唐紙をつくるとなると、青の顔料で和紙を染めるのではなく、様々な顔料を混ぜて青を作ります。
そのため、全く同じ青はこの世に無く、世界で一枚の唐紙が出来るのです。
栗田先生と岡田様は、トトさんの様々なお話に真剣に耳を傾けられた後、数種の文様を用いた、物語が溢れる唐紙の作品をオーダーすることにされました。
お決めになられると、おふたり共、ほっとした表情をされ、これからの新たなスタートに相応しいと大変お喜びの姿は、お帰りになられた後もアトリエに良い余韻が漂い、わたしたちもまた、素敵な瞬間に立ち会えた一日でした。
一人ひとりに人生があります。
こうして唐紙が、その方の生きて行く日常に寄り添い、またそこで生まれる新たな物語を共にしてゆく唐紙。
そこにはいつも、トトさんの人々の幸せを願う心が込めらているのです。
…..
次回は、唐紙はどういう工程で作られるのか…
そして、栗田先生と岡田様はどのような文様や色をお選びになったのか…
唐紙の完成から、お二人の元へのお届けまで、そして栗田先生のインタビューを交えてご紹介させて頂きたいと思います。
「しあわせを繋ぐ場所… アトリエKIRA KARACHO[後編]」は2015年1月の予定です。
みなさま、是非、楽しみにお待ちください。
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アトリエKIRA KARACHOでは、オーダーに関するご相談をさせて頂く際、今年の9月に東京国際フォーラム内「相田みつを美術館」にて披露されました、唐紙アート作品(トトブルーシリーズ)も、間近でご覧頂けます。
(アトリエは完全予約制でございますので、オーダーをご希望の方は、下記問い合わせ先までご連絡ください)
トトブルーシリーズとは、トトアキヒコ独自の技法「しふく(Shifuku)刷り」で制作された作品であり、先日、Facebookにてお知らせさせて頂きました、2015年うめだ阪急福袋の新年を祝う作品も、同技法で、現在制作中でございます。
2点限定の福袋は、うめだ阪急WEB先行販売にて、完売致しました。
この場をお借りし、心よりお礼申し上げます。
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【雲母唐長(KIRA KARACHO)】
TEL:075-251-1550
MAIL:info@kirakaracho.jp
(火曜・日曜・祝日休 / 不定休あり)
※ 完全予約制
HP:http://www.kirakaracho.jp
Online Shop:http://shop.kirakaracho.jp
京都御所の西側に位置し、京都駅からは市営地下鉄をお使いになられると約20分で到着致します。
周辺には有名スポーツ選手もお参りに来られる、足腰にご利益のある護王神社や一軒家のレストランなど、グルメスポットも多く、大人の京都を楽しんで頂けるエリアです。
One thought on “しあわせを繋ぐ場所… アトリエKIRA KARACHO[前編]”
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